甚平は、日本の夏のくつろぎ着や。 おしゃれ着ちうより、家でゆったり過ごすんにちょうどええちう感じでっしゃろか。 日本に昔からある着物由来のウェアやから、仕立ては着物と一緒で、直線で仕立てられとりまんねん。 主に甚平は男性が着ることの多いもんやけど、そやけどアンタ、ボウズ用の甚平もおます。きょうびでは女性用に仕立てられはった甚平もおます。
昔は、紺色やグレー、茶、といった渋めのカラーで、無地または織り模様が入っとる程度の生地を使うて作られとったんやが、今では、洋服用のプリント生地を使用した柄物、派手な浮世絵模様のバックプリントを施したもん、キャラクターの模様の入ったもんやらなんやら、伝統的な甚平に新しい商品が加わちう、愛用者を増やしてるんや。
きょうびでは、5月になると百貨店やスーパーの父の日のプレゼントコーナーで甚平が箱に入って陳列されるのが「父の日」のプレゼントの定番となったんですわ。よりどエライ昔は、ネクタイが父の日のプレゼントの定番でもおましたが、今では甚平も立派に定番となったんやよや。甚平は、季節的にも暑くなり始める初夏のその時期にもちょうどよう季節感のある気の利いた贈り物として喜ばれそうやね。
甚平って人の名前と同じ? 名前の由来は?
甚平は、他に「甚兵衛」と書き、「じんべえ」ちう読み方もするさいです。 一般的には「じんべい」と発音しまんねんけど、「じんべえ」でもあながち間違いやおまへん。 甚平ちう名称ちうことは、もしかして、「甚平」はんちう人が昔着とったちうのが由来かいな?思う人は多いんとちゃうでっしゃろか?
トコロが、甚平ちうんは人の名前やのうて、「甚兵衛羽織」ちう江戸時代の下級武士が着た袖のあらへん羽織を着物として仕立てたもんが現在の「甚平」の元となりよったようや。「甚兵衛羽織」は、「陣羽織」から派生したもんで、下級武士ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は「雑兵」が着るもんやったちうことで、こないな風な名前になりよったんとちゃうでっしゃろか。
ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は、甚平は甚兵衛羽織の甚兵衛が変身したもん、ちう説が有力なんやこれがホンマに。
確かに、甚兵衛(甚平)ちう人が作ったとか着とったから、ちう説もあるみたいんやけど、特に確たる根拠もなく、噂レベルの説やから、「甚兵衛羽織」説が語源と考えてええでっしゃろ。
こないなことからも、甚平は昔から敷居の高いようなおしゃれ着、外出着やのうて、庶民の着る衣服やったちうことがうかがえまんな。
甚平と作務衣の違いは?
洋服と和服の違いは、曲線で布を裁つか、直線で布を裁つかちうのが大きな違いや。
甚平ももちろん和服の流れを組む日本の衣服やから、直線裁ちで作られとりまんねん。
甚平とよう似たタイプで、「作務衣(さむえ)」ゆうものもおますが、ウチも直線裁ちで作られはったもんやね。
よう似とるんやけど、甚平と作務衣は別物や。
「作務衣」は、元々は京都のお寺で、僧侶が掃除や薪割やらなんやらの寺の雑用をする時に着とったもんや。いわば僧侶の作業着ちう訳やね。作務衣は、作業着ちう位置づけやから、色は僧侶の正装である黒衣と区別して、藍色や茶色やらなんやらの色が使われとったようや。
それに対して、「甚平」は江戸時代に関東地方で発祥して、江戸の庶民がよう着とった普段着ちう位置づけちう認識するんが適当のように思とります。
そやけど、現代では、どちらも着心地が楽やから、元々の成り立ちとは関係なしに男性のくつろぎ着として好んで着用されとるようやね。
作務衣と甚平では、甚平はパジャマに近い感じ、作務衣は作業着といった感じの認識で着るのがふさわしい思っておくんなはれ。甚平ちうんは、あくまで家で着るもんで、あんまり外に着ていくにはちーとばかしどうでっしゃろぁと考える人もおるさかい、甚平を着て出かける時には、出かける前にちーとばかし一考が必要かもしれしまへん。
昔の人の考え方では、着物での正装というたら、帯を必要とする格好ですわね?
やとしたら、帯をつける必要のあらへん甚平や作務衣は、決して正装ではおまへん。
また、形の違いを挙げるとするやろ、ほしたら、甚平と作務衣では、下衣の丈の長さと上衣の袖の長さがちごとりまんねん。
甚平が下衣は半ズボンに近い丈で筒状やのに対して、作務衣は下衣が長く、下がつぼまっててモンペに近い形をしてるんや。
上衣は、甚平も作務衣も筒袖やけど、そやけどアンタ、作務衣は七分袖やったら長袖がほとんどで、甚平は半袖から七分袖までと袖の長さもちゃいます。
そないな風な形をしてんねんさかい、甚平は主に夏に着用するもんとされとりますが、作務衣は、中にもう一枚着衣を足すことにより、冬でも着用できるさかい、一年中着ることが可能や。
甚平と作務衣のどちらが普及してんか?と言われると、わては甚平よりも作務衣かいなぁと答えざるを得まへん。冬でも着られはることと、居酒屋や旅館やらなんやらで制服代わりに作務衣を採用してんお店もあることがその理由としたることが出来よる思うで。
甚平の素材
今度は甚平の素材についてご説明していきまひょ。
甚平は、主に夏に着られはることから、素材は大抵吸水性がよう乾くのも早い麻や木綿を使用してんことが多いや。
伝統的に作り続けられとる甚平には、日本各地の織物が使用されとるもんがよう見られはります。
甚平には「ちぢみ」と言われる生地がよう使われとるのを見まんな。「ちぢみ」は「ちりめん」とよう似た作り方で織られとりまんねん。ちりめんはクレープとも言われ、夏の男性用の肌着で使われとる、撚りの入った生地のことを思い出される方がおるかもしれしまへんや。クレープは絹糸を用おるんやけど、ちぢみは主に綿や麻の糸を用おりますわ。
この生地の特徴は、糸に撚りを入れて織り上げ、生地となりよった時に表面に「しぼ」と言われる凸凹がふることや。この「しぼ」のお陰で、肌に触れる面積が少なく、その結果、さらさらした肌触りになるちうワケや。やから、汗をかきやすい夏の時期にはぴったりの素材と言えるでっしゃろ。
綿をつこうたもんでは「阿波しじら(徳島県)」「銚子ちぢみ(千葉県)」「菖蒲ちぢみ(埼玉県)」やらなんやらがおます。
麻をつこうたもんでは、「小千谷ちぢみ」「近江ちぢみ」「播州ちぢみ」やらなんやらがおます。
また、着物の生地にも使われることの多い「かすり(絣)」も甚平には使われることがおます。かすりは、昔から農作業に従事する女性の作業着として愛用されてきた織物や。かすりは、紺がすりとも言われるくらい、紺色のもんが多いやね。紺色に白い模様が独特で、着物のことをそないに知らん人そやけど、かすりの生地を見て「こらかすりかいな?」思うくらい、名前はよう知られとるんとちゃうか思うで。かすりに使われとる紺色の元は、染料の藍や。もっともきょうびでは、紺色だけでなく、赤や黄色、白、グリーンやらなんやら昔とはちごて、かすりもカラフルになってきとりますが。
かすりで有名なんは「久留米がすり(福岡県)」「伊予がすり(愛媛県)」「備後がすり(広島県)」「倉吉がすり(鳥取県)」やらなんやらがおます。
では、甚平の生地としてよう使われとるもんについて説明していきまんねん。
■阿波しじら
阿波しじら織は、徳島県特産の織物や。 阿波しじら織の特徴は、「しぼ」と呼ばれる独特の模様と阿波特産の藍で染められはった藍色や。 しじら織は、縦糸と横糸の張力差を利用して織り、仕上げの時に湯もみをするっちうことによって表面に独特の凸凹を出しまっせ。この「しぼ」が表面の凸凹がさらりとした肌触りを生地にもたらし、いっぺんに見た目でも藍色と相まって清涼感をもたらしてるんや。
■播州ちぢみ
播州ちぢみ織は、兵庫県の旧播州(西脇)を中心に作られとる織物や。 歴史は長く、江戸時代から続く200年もん歴史ある工芸品や。 播州ちぢみ織は、糸を先染めしてから織り上げ、後からちぢみ加工を施してんが特徴や。甚平以外に、シャツやらなんやらにも生地がよう使われとりまんねん。
■近江ちぢみ
近江ちぢみは、滋賀県の400年の伝統を持つ織物や。 麻を使うて、糸を先染めした上で、特殊な加工をし、手仕事で丁寧に作られはった独特の「シボ」が特徴や。
■久留米織り(久留米絣)
久留米織は、福岡県特産の織物や。 久留米織ちうよりも、「久留米絣(くるめがすり)」といった方が有名かもしれしまへん。 福岡県の南西部の久留米市で作られとりまんねん。 藍色の糸と白い糸が織られはった独特の絣模様が、素朴な風合が人気の織物や。国の重要無形文化財、通産省の伝統的工芸品に指定されとりまんねん。
甚平とコーディネイト!
甚平を家以外に着ていくとしたら、やっぱり花火大会!ちう方が多いんとちゃうでっしゃろか? どうせ着るんやったら、思いっきり「和」でコーディネイトしてしもてまひょ! ちうことで、甚平に似合う小物も紹介しまっせ。
■下駄
甚平に似合う和の履物と言うたら、やっぱり「下駄」ですわや。 カランてんてんちう音は、夏の夜になんやピッタリ。 もうちーとばかし楽に履きたいなぁちう人には「雪駄」もおすすめや。
■下駄サンダル
きょうびは、ハイビスカス柄やらなんやら一昔前にはあらへんかったような現代的な甚平もありますねんや。ピンクとかカワイイ色のもんは、大抵女の子向けに作られはった甚平やけど、そやけどアンタ、そないな甚平やったら下駄サンダルがピッタリや。
■うちわ
履物を揃えたら、小物にも、ちうことで、花火大会やったら団扇もあると便利。 会場で配っとったりするっちうこともおますが、家族や友達とお揃いのを揃えたり、パソコンで作ったりしたかてええかもしれしまへんや。
■扇子
もっともっともっともっともっともっともっともっともっとこだわりたい人には扇子がおすすめ。 一言扇子なんちゅう、言葉が書かれた風変わりなもんから、定番のもんまで、きょうびは扇子もアイテムが豊富や。開いた時の周りの人の反応も楽しみやね。